深い親知らず・奥歯の抜歯説明
(埋伏智歯抜歯・下顎水平埋伏智歯・臼歯)
箕面たかはし歯科医院で抜歯を希望されている方は、 下記内容に承諾された方に抜歯を行なっております。
口腔外科の病院にて毎年300件以上の親知らずの抜歯や手術を行なってきましたが必ず、リスクは僅かにあります。
当院では、抜歯以外の選択肢として、歯を抜かずに残せるかどうかをCT精査での確認しております。またセカンドオピニも行なっております。
抜歯の必要性
術式:通常の抜歯は局所麻酔下で行います。歯の状態(根の曲がりや太さ)によっては、粘膜を剥離し、歯を分割して抜歯します(歯を覆っている骨を削ることもあります)。粘膜は縫合して元に戻します。なお、無理に抜歯することで周囲組織を傷める・合併症が発生すると判断した場合は歯根の一部を残すことがあります。
術後の注意
- 手術当日は口を強くゆすがないで下さい。また患部を外側からよく冷却して下さい。
- 大量出血するようなことがありましたら清潔なガーゼを患部に当てた状態で5分間咬んで下さい(圧迫止血)。
それでも止まらない場合はガーゼをかえて圧迫止血を2回繰り返して下さい。もし出血が続くようであれば、夜間でも病院当直にご連絡下さい。 - 抜歯後の穴が塞がるまでには約2ヶ月かかります。半年程度は違和感が続くこともあります。
- 術後は、洗浄や抜糸を行うため、数回の通院を要します。化膿した場合など、まれな経過不良が起った時に発見や対応が遅れて重症化するケースが見受けられます。経過に疑問を抱かれた時は必ず当院にご相談下さい。
抜歯に際しての危険性を減らすためにお聞きします
- 麻酔注射や薬で過敏症(アレルギー)はありませんか?
- 血が止まりにくいような薬をのんでいませんか?
- 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の薬をのんでいませんか?
- けがや手術の後で血が止まりにくかったことはありませんか?
- 肝臓や心臓、腎臓の病気はありませんか?
- 喘息はありませんか?
これら一つでも該当する場合は担当医にお知らせ下さい。
偶発症
抜歯は最も一般的に行われている外科的処置であり偶発症は稀です。
しかし、報告されている偶発症に、周辺組織の損傷と全身状態の変化に由来するものがあります。
周辺組織の損傷としては、抜歯する歯の周辺の歯・粘膜・皮膚・骨・神経・血管などの損傷があります。
周辺の粘膜・皮膚に器具が接触するため、挫傷もしくは裂傷、唇への器圧迫によって生じた擦過傷では、一過性に皮膚の変色が残ることがあります。
下顎の臼歯の抜歯では、唇や歯茎、歯の感覚麻痺、ごく稀に舌麻痺(味覚障害、感覚消失)が数ヶ月から1年以上生じる場合があります。
下歯槽神経と舌神経、頬神経、オトガイ神経への影響が考えられます。
大部分の神経の損傷は抜歯処置中の圧迫によるものとされ、ほとんどが自然に治癒しますが、ごく稀に永久に残ることがあります。
「親知らず」の抜歯については、国内の報告で下歯槽神経の損傷発生頻度が6%、舌神経で0.1%とされ、海外の報告では、一過性の下歯槽神経マヒの発生頻度が1.2%、永久に残るマヒが0.2%とされています。
上顎臼歯の抜歯では、根が上顎洞に近いため、抜歯の際に(圧迫されて)上顎洞に穿孔することがあります。
レントゲン写真で根と上顎洞底線が近いと穿孔の可能性が高くなります。
穿孔が生じた場合には、鼻からの出血や血のかたまりを数日認めることがあります。
また上顎洞炎の感染経路になるため創部の歯肉を糸でよせ、保護床を用いて様子をみる場合があります。
穿孔が小さなものであれば自然に治りますがそれまでの間は強く鼻をかむ、すするようなこと、また強くうがいすること(鼻と口との間に気圧差が生じるような動作)は避けて下さい。
穿孔が大きい場合(2mm以上)では水や空気が穿孔部から鼻にもれるため、閉鎖手術をすることがあります。
抜歯後に穿孔部が治らず膿の出口(瘻孔)を形成し上顎洞炎を認めた場合、もしくは抜歯前より上顎洞炎を伴い瘻孔を形成した場合では、瘻孔部からの膿・悪臭のある鼻汁・鼻づまり感・頭重感や頬部の痛みを認めることがあります。
この場合は、上顎洞内の洗浄や化膿止め(抗菌薬)を投与することがあります。
穿孔部は上顎洞炎の軽快後に治りますが、望めない場合には閉鎖手術を行います。
それでも、上顎洞炎が続く場合には上顎洞根本手術や耳鼻科での内視鏡下副鼻腔手術を必要とする場合があります。
その他偶発症
- ドライソケットといって自然治癒力に問題があって骨に炎症が起こり非常に強い疼痛が2週間程度続くことがあります。
- 術中、術後(帰宅後)の異常出血を来すことがあります。ほとんどは止血処置で収まりますが、極めてまれに輸血を含めて救急・全身管理が必要になることがあります。
- やむをえず他の歯や歯の修復に使われている材料を傷めることがあります。
- 抜いた歯の周辺組織の状態や、日常内服されている薬の種類によっては、歯を抜いた傷からの出血が持続することがあり、同日中に止血処置が必要になる場合があります。また内出血のため、顔面や首筋の皮膚が内出血により青アザ紫や黄色に変色することもあります。皮膚の変色は2週間程度で治ります。
- 開口障害が1〜2週間程続くことがあります。
- 手前の歯が知覚過敏になり、神経の炎症に至ることもあります。保護薬の塗布のために数回通院が必要になる事があります。神経の除去が必要な時もあります。
- 免疫力の低下している時に抜歯するとまれに化膿することがあります。創部処置で頻回に通院(あるいは入院)が必要になり、完治まで2か月ほど要することがあります。
- 骨粗鬆症の薬を内服されている場合、抜歯の傷から骨壊死に至ることがあります。
- 稀ですが骨が菲薄な場合に歯が上顎洞へ迷入する場合があります。この場合は摘出処置を行ないます。
偶発症が生じた際には偶発症により生じた医療行為に対しての当院からの補償はございませんが、適切に対応し治療を行わせていただきます。その際に、あなた様の保険を適用さて頂くことになりますのでご了承ください。
(注:偶発症は通常通りに検査や治療が行なわれていてもある一定の頻度で起こりえることであり、医療過誤との同意語ではございません)治療が不成功または中止となった場合の他の対処法、または代替の治療法につきましては、その理由により異なりますが、後日、処置を行うか、経過を観察または高次医療機関に加療依頼で紹介させていただくことになります。
連絡先
医院名 | たかはし歯科医院 |
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院長 | 高橋 元 |
住所 | 〒562-0013 大阪府箕面市坊島4丁目16番33号 エスペランス箕面1階 |
電話番号 | 072-725-1182 |